“青く澄んだイマジネーション”

愛情そそぐ、りゆうはいらない。

ケーキと風邪薬。..『花とアリス』

まだ整理がつかないのですが、

花とアリス』について記します。。

 

岩井俊二さんのお話は『PiCNiC』『スワロウテイル』『リリィシュシュのすべて』『リップヴァンウィンクルの花嫁』くらいしか見たことがないのですが、

どのお話に関しても、声をあげて泣いたり落ち込んだり、わたしのなかでなんだかたいせつな余韻を残してくれる特別さがあります。

だけれど、「ここがなければよかったのに」とおもうシーンが必ずあって、「今回はどうかな?」と『花とアリス』を借りてきました。

 

どうして、映画レビューサイトではあんなに高評価なのかよく分かりませんでした。

「ここがなければよかったのに」どころか、全体的になんと言ってよいのか分かりませんが、がっかりさせられました。

 

 

“先輩”を追いかけて、

同じ部活に入ったり、隠し撮りをしてみたり、「別れて」と言われてもみ合いになったり…

すこし前まで中学生だったわたしも、心のなかではこんな風に好きな人めがけて走り踊っていたなあ、とおもい出しました。

いまではほんとうにときめきがなくて、忘れていたような感覚が。

 

 

でも、岩井監督は…

紙コップを足にガムテープで固定して、バレエをおどり出すアリスというより蒼井優を撮りたかっただけに感じたのです。

それまでのシーンはほとんど内容がなくて意味がないような気がしました。

 

長編ではなく短編のほうがわたしには合っていたのかも。

それぞれの場面では、共感したり納得したりするのに、つなげてみればまとまりがなく。

短編はあらすじを読んだだけで見てはいないけれど、短編をただ連結させただけのような荒さを感じてしまいました。

 

 

だけどやっぱり、

耳に残る音楽、映画の色のトーン、レッスンやオーディションのバレエシーン、女の子ふたりがお話ししたりわらったりするのは、

ずるいくらいにきれいでした。

岩井俊二さんの映画です、って言われなくても分かるくらいに、

わたしの持つことばのなかでは、きれいとしか言いようのない世界が、『花とアリス』のなかにはありました。

 

 

 

わたしも欲しいなあ、

電車でどこまでだって行こうって、

走り出せるようなおともだち。

最強のふたり”になれるようなおともだち。

 

(あと、ことば。語彙がほしい。)